用語
(法的な説明以外の部分では主観的内容が含まれております)
建築設計監理に携わる人の呼び名の定義
「建築家」
以下の条件を満たす人のこと。
①ワンマン若しくは設計組織のリーダー的存在である。
②オリジナリティ、デザイン、理念といったものを重視した建築設計監理を生業とする。
③設計作業の中で、少なくとも大まかなデザインやプランニングは必ずする。
これらの条件に当てはまらない、例えば設計事務所や施工会社の設計部で働く従業員や、ありきたりで既成の領域を出ない物しか設計しない人や、他の人が描いたプランにもとづいて実際に各種申請もしくは工事が可能なように、具体的な設計をする人などは、建築家とは呼びません。狭義では上記条件に加え、②の条件を追求するあまり、自身の意見の重要性が、施主の意見のそれを上回るに至った人。
「設計士」
上記の条件に当てはまらない、建築設計に携わる人すべての一般名称。
「建築士」
国家資格の名前。では建築設計監理をする人はすべて建築士でなくてはいけないのでしょうか。例えばガソリンスタンドで「危険物取扱者」が立ち会えば無資格者もガソリンを取り扱って良いのと同じように、1組織に少なくとも1人管理建築士(下記参照)がいれば、建築士でない人も建築設計監理の仕事をすることが出来ます。設計を依頼する時に、目の前に現れる設計担当者が「建築士」であるかどうかは、できあがる物の善し悪しに直接関与しません。例えるなら、何かを依頼される側の担当者が大学を卒業しているかどうか、に似ていて、大卒ではなくても経験、努力、センスなどにより大卒以上の仕事をしてくれる人もいるでしょう。また、その担当者の経験が浅ければ、それをチェックしている人の能力が重要です。
「管理建築士」
建築士事務所を開設するするにあたって、当該事務所専任の管理建築士が1人必要となります。管理建築士になるには、建築士として3年以上の実務経験と、管理建築士講習の修了考査に合格することが条件です。姉歯事件をはじめとする様々な問題から、建築士事務所に対する規制は強化されてきましたが、管理建築士に登録されている人が本当に「管理」できているかどうかは、まだ、建築士事務所ごとの意識に任されているのが実情といえます。